模型制作記録簿

模型趣味のアレコレを綴っていきます。

干支ノ武者[辰]

新年最初の完成品は「アニュラス 干支ノ武者[辰]」です。

アニュラスというメーカーは2022年4月に設立されたばかり。所在地は岐阜県とありますが、自社工場なのかファブレスなのかは分かりません。SSSSのアカネや立花の可動プラモデルを作られており、今回の干支ノ武者が第三弾のようです。

キットの所感も含めあらためてまとめます。

 

まずパッケージが高級です。

タイトルが箔押しなのもそうですが、箱自体がミフタ(蓋となる箱とそれを被る身箱)式で化粧紙を巻いたタイプ。模型の箱って、いわゆるミフタ式の最も簡素な作りとなる訳ですが、干支ノ武者ではいわゆる化粧箱としての作りで頑丈。

そしてこのランナー構成。AランナーからDランナーまで4枚あるのですが、各ランナーの四隅に足が付いててピンダボで連結しています。ランナーでケージ化することで一枚ずつ袋詰めするよりもパーツの保護がある意味確実。

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組み立てです。

頭部から組み付け。いきなりコレ。1パーツでこの彫刻と抜きを実現する金型…スライド金型も使っていそうなのですが訳がわかりません(褒め言葉)。

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頭部。中の人登場(笑)。頭部のダボ穴へテックセッター(古)していきます。画像は面頬の下顎部分を装着したところ。ゲート処理をきちんとやればこの通りバチピタ。左右割ですがセンターの合わせ目がほぼ見えません。何コレ(褒め言葉2)。

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頭部への組み付け完了。よっく見ると中の人の目が見えますが…
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喉輪(顎下をガードする部分)の造型ですが、左手部分は端まで造型されてますが、右手側は欠けています。
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これはのちに陣羽織を被せた際、デザイン上左肩周りがやや浮いた造型になっており、襟元と喉輪が重なるようになっています。右手側は襟周りが浮いていないので、プラの厚み分削ることで襟のラインと一致します。これにより陣羽織の厚み=キットとしての厚みが露出しなくなり、プラモデルっぽさを払拭してくれます。

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組み上がりました。宣材CG通りの仕上がり。彫刻が緻密すぎて潰れてるとか肉厚のせいで歪んでたりとかそういうのも一切無し。こういうのって大体どこかしら干渉して浮いたり、嵌合がキツくて最後までハマらないとかあるんですが、新興メーカーさんとは思えないバチピタぶり。これは次回作が楽しみになりますね。
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さて、塗装です。珍しくキットには何も手を加えず、塗装へ入りました。何なら合わせ目消しもしてません。結果的に塗ったら分からなくなりました。

某記事を参考に、銅像風に塗装します。参考元を書かないのは、同じレシピでありながら再現性が想定外だったため。紹介されたものと違った風合いになってしまったためあえて書きません。誤解を招きますしね。

 

まず全身をシタデルカラー21-29BALTHASAR GOLD(バルタザール・ゴールド)で。今回これを下地とするので黒サフも買いましたが使用せず。

各部を塗って組んだところ。基本色までは筆が届かないところが出てくるのである程度バラして塗りました。
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これはこれで良いですよね。ほぼ瓶生で一度塗り。

ここから先は組んだまま塗ります。次に、輝きが少々強いのでウェザリングカラー「マルチブラック」で全体のトーンを暗くします。
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パーツの翳りになるところはマルチブラックを多めに塗って残します。
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事前のテストピース。こんな感じで緑青を纏うブロンズ像のつもりだったのですが…

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めっちゃブルー。下地のBALTHASAR GOLDさん…事前情報では結構シャビシャビとのことでしたが、しっかり撹拌(注:シタデルカラーは攪拌棒等で「かき混ぜる」のはNG。塗料の痛みが進みます。蓋閉めて手に持って50回くらい振る!ひたすら振る!)して使うとそうでもない…
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まあこういう銅像が無いわけではありませんが…

 

経年劣化はさせたかったので、マルチブラックでレタッチしました。で、こうなりました。
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レタッチのイメージは、「酸化で発生した緑青と風雨に晒されて緑青が剥げた箇所のバランス」です。基本的に肩や頭部・突端部にマルチブラックを乗せつつ、ストレーキングも意識して下半身はなるべく縦方向に筆を走らせました。

 

できれば休み中に屋外で撮影したいですねー。自然光撮影のネタとしては良いと思いますし。

反省点や改善策もありますので、次に活かしたいと思います。