まずは設定画(TV版)を穴が開くほど見ます。
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クァドラン・ローの特徴として、あちらこちらに黒い塗りつぶしと太いラインがあります。本来何かしらのディテールを入れたかった、あるいは作画カロリーを減らすためのBL塗り潰しなのかは不明です。
キットでは、この黒塗り部にアポジモータ的ディテールが入っていたり、全身に何かしらのディテールが施されています。
先の設定画に対して「TV版」と断り書きしたのは、その後の劇場版との区別ではなく、ハイディテール版の設定画が存在するからです。
私はこの画稿については「キット化時の資料用」なのではと考えています。さらにキットの上半身が全体として見た時に大きくなってしまった理由のひとつに、側面図と背面図はあるのに正面図が存在せず立ち絵のみだったからではないかと邪推しております。背面図からは上半身の幅やバランスが推測できず、またハッチ類の可動やクリアランス等の設計も両立させる過程で立ち絵と擦り合わせることは止めてしまった…のではないか、と。
ともあれ、制作方針として考えたのは、
・プロポーションをどこまで設定画の印象に近づけることができるか?全身のキット用ディテール(&マーキング)も全て廃し、TV版としてシルエット勝負での完成を目指す。
・全身の黒塗り部は、穴開け・新規に面を起こす。
・太い線はマーキングラインではなく単なる構造線となるよう段差または細いスジ彫りに転換する。
といったものとなりました。
ちなみにこのハイディテールな設定画は、海外へ渡り「ロボテック」シリーズとして組み込まれた際の正式設定画となったようで、あちらではディテール入り・マーキング入りが標準なイメージのようです。