模型制作記録簿

模型趣味のアレコレを綴っていきます。

HGズワァース 改修方針

クァドラン・ローでもやりました「デザインと改修方針」、ズワァースでもやっていきます。

 

まずは設定画(便宜上Aとします)を拝借し、デザイン全般を見ていきます。

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独特の膝を曲げたポーズでの設定画。左手の盾のおかげで股関節周りのボリューム感がまるでわかりません。

 

正面と背面。

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自分もようやく最近感じてきたのは、股関節周りのバランス次第でABらしさが大きく変化するということです。

これは個人の考えですが、例えばモビルスーツではここまで股間ブロックが幅広なものはなく、極めて人間のフォルムに近いものが多いと思います。

ABは一見人体フォルムではないように見えますが、筋肉ではなく骨格を基準として構成されているように思います。腰回りなら骨盤と大腿骨の関係性ですね。実は永野センセのHM/MHもそうですね。

 

さて、設定画Aでは斜め向きと煽り気味のカットの2種アングルとなっています。上段のポピュラーなほうは頭部が大きく見えますが下段のカットではそこまでの感じはありません。

 

ここで既にお気づきの方も多いでしょうが、このズワァース、実は「はっきりしたプロポーションが設定画からは分からない」という厄介なABなんですね。

なぜこんなことになったのかわかりませんが、デザインスケッチの段階からポーズだけは継承され続けてるんですね。宮武氏から出渕氏にバトンタッチ後は作画の湖川氏がデザインにより関わってるケースが多いようで、その辺のクセが体型にも影響してるようにも思います。

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骨格を理解せずに描くと「単にキャラがX脚ばかり」となりかねない微妙なバランスのキャラデザイン。

 

「ABらしさ」を考えるうえで「湖川デザイン」は押さえておいて良いポイントだと思ってます。

 

ここでもう一度、キットの画像を。

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関節に被せる軟質素材だけありませんが、全身を仮組みした画像ありました。ただこの時点で足首周りはいじり始めており、キット素組みとはやや異なります。ご了承ください。

気になる点をピックアップすると、

・頭の角造形の違い

・肩周りの面構成の違い

・二の腕デザイン

・前腕の肘やクロー取付方の違い

・上半身・ウエスト・股関節ブロックが全般的に小さい

・下半身が大きく見える。膝から下など

・コンバータの形と位置

・コンバータ基部の「背負子感」

・軟質部品はボツ

・自立可能?

といったところ。

全身バランスが当時以前からのガンプラチックで、上半身から下半身にかけてスケールが肥大していくクセが見受けられます。

同時期にガンプラ自体はMGがVer. 2.0を展開しはじめており、アニメ劇中の印象でキット展開していますが無理のないバランスで現在も良キットとされるものばかり。このラインは何年後かにTHE ORIGINのラインへと継承されていくのですが、それと並行して本家HGが悲惨なことに…と、それはまた別の話。

 

大雑把なまとめとしては①上半身と下半身でスケール感が違って見えること、②コンバータの付き方のために本体との一体感に欠けること、③各部のアレンジはほぼ不要

といった感じでしょうか。

 

[改修方針]

・下半身、主に下肢をコンパクト化する。相対的に無改造でも爪先が長く見えてくるくらいを目標に。

・上半身のボリュームアップ。背面が痩せているので肉盛りしつつコンバータ基部と一体感が出るように。

・オーラコンバータの形状が部分的に異なるため改修しつつコンバータ基部を包み込むような印象となるようにコンバータを切り欠いて埋め込む。

・頭部角・肘の突起・二の腕の形状は設定画の印象へ近づける。特に二の腕はダンバイン等参考にしつつそれらしい形状へ。

 

こんなあたりでしょうか。

まずはザクザク刻んだり削ったりで贅肉を削ぎ落とす方向でやっていきます。