バックパックも、見た目に影響がないものの、内部的にはかなり色々やってました。
まず、設定画における黒塗り部が多く最も謎なのがこのバックパックです。
以前に方針として「黒塗り部には本来何らかのディテールがあって、作画カロリーとの兼ね合いで潰しているのでは?と仮定」していると書きました。
しかしこの塗り面積はあまりにも解釈の余地…というか、どう補えば良いのやら(笑)
まずはじめに、現用機風味すら感じるキット用ディテールは全て削除しました。
これとか。
これを含む黒丸部に追加されたディテールとか。
慣性制御なる謎仕組みを持つ機体でもあり、全身流線形なデザインにメカ表現がどうにも不似合いに感じられてしまい、「間が持たなくなるかも」と思いつつも削り取ってしまいました。
この時頭にあったのは、60〜70年代のフェラーリやポルシェのデザイン。タイヤを包むロー&ワイドなボディを、曲面が美しく雑多なものが露出しないよう纏め上げるあの感じ。三次曲面の美しさだけで構成されたクァドラン・ローを見てみたいという欲求が湧いてきた頃ですね。
そこで考えたのは、機能を限定しない曲面で黒塗り部を作り直すということでした。
かなり迷ったバックパック上部にある黒塗り部。角度によって穴に見えたり、側面図では輪郭を持っていたりと凹にも凸にも見えます。結果的に穴扱いすることに。シルエット的にも大きな変化で違和感が出ることも少なそうでしたので、吸入口的イメージで加工してます。
ノズル下の黒ベタ三角二つは、逆Rに彫られた凹みとすることに。ここも何かを排出するのか何なのかはあえて解らせないように。
ノズルと、ノズルを接着する予定の壁をくり抜いたため、奥が見えても良いように面を作ってあります。プラ板はノズルを支えるためのものです。
バックパック上部の穴とノズル下の逆R面を光硬化パテで作成。内側の凹凸に合うよう作ってあるので、装着〜外して磨き・切削で様子を見ながら完成させました。
また、膝横ミサイルハッチ同様、バックパックのミサイルハッチも同様に光硬化パテ&レジンアクセ用半球型で何パターンか作成し、検討しました。
全て嵩が違います。
頭部ハッチ側襟元も整形しました。
画像に落書きして曲面のイメージを確認。
両肩に連なる箇所をカット〜再接着。真下に向かう面に傾斜を付けました。
ミサイルハッチ間の谷間をなだらかにするため、プラ板を貼り定規パーツとします。
光硬化パテを盛っていき…
プラ板の減り具合に注意して整形していきます。
頭部ハッチと、この整形した襟元からバックパックにかけての面構成がとても好きになりました。
こうしてみると上半身の前後ボリュームがすごいなあと。新たな発見でした。
他にも、前面・後面にある黒塗り部は穴を開けました。そのため互いの穴から反対側の穴が見えないよう遮光板を入れてます。
穴開け後は穴のフチ薄化。結構大変でした。
白いプラ板が遮光板。ミサイルハッチの内径に合わせてあり、ピッタリとハマります…という画像が撮ってありませんでした。既にバックパックに封入されてしまっているため、永久に見ることが出来なくなりました。さらば!遮光板!