模型制作記録簿

模型趣味のアレコレを綴っていきます。

模コン2023

はい、今年(2023年版として)も開催されました。

初日約12時間!二日目約10時間の長丁場、応募作品数は1300点近くだそうで…とんでもねえ。

吉本プラモデル部の方々はじめ審査員のプロモデラーの皆様、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございます。

 

私は過去作にて賑やかしに行きました。

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タスクバーと進捗バー?が重なり名前が見えません(笑)。この後の動画ではさすがに気付かれたようで非表示になってました。

1日目1stステージ、動画1本目2ページ目にて紹介されました、バンダイ1/32ティラノサウルスです。

背景はノングレアモニタ(笑)。

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過去にエントリーがございますのでご興味のある方は是非。

 

しかし本当に層が厚くなりましたね。「まだ2nd?」とか「これが1stなの?」の声も増えました。3rdステージとかになってくると「この先まだ100人近いバケモノがいるのか?」と、段々「怖い」と思うようになり(笑)…セミファイナルあたりになると「おわかりいただけただろうか?」という幻聴が聞こえてきたりそうでなかったり…

そしてファイナリストの20名様。昨年に続き艦船モデルが1位に。今回艦船ジャンルが5作品入賞。おめでとうございます。個人的に艦船モデル自体は動きや空気感を出しにくい題材だと思うのですが、ドラマチックな表現で先入観を見事に覆えされたと思いました。素晴らしいの一言では全然足りません。

ちなみに何故艦船ジャンルに言及するのか?それは模コン観てきた方ならご存知ですが、審査員の一人であるプロモデラー・チョートクヨシタカさんが艦船ジャンルの躍進を強く願っており、昨年ついに艦船モデルが1位に。そして今回も同じ方が艦船モデルで1位を獲得という偉業を果たしたからです。そりゃあチョートクさんも男泣き。まさに感動のフィナーレとなりました。

 

さて。

 

応募数も莫大になるとともに、SNSでは模コンへの批判も目につくようになりました。

とはいっても参加者から出たものではなくほとんどが参加者以外の人からのもの。

実は自分もアレコレ書いたものの消しました。思いは吉本プラモデル部部長の哲夫プライムさんからいずれ発信があるかもしれないので…

自分は模コンを楽しむし楽しんでますし。順位優劣ではなくステージ制というのも理解しているつもり。なので「上位に行きたい」とか「1stステージ止まりだった」みたいな表現はしません。競う相手は、自分です。

 

【1/21追記】

以前哲夫部長は模コンのシステムをお笑いステージに例えていました。

自分の解釈としては、登場順は人気や実力を加味して決まるものの、最初に登場するから面白くないとは限らないし、トリで出てくる人が自分には刺さらないことだってある。順番はどうやったって決めなければ行けないから採点式にしているが、観客は好きな作品を応援すれば良い。出演者は順番を気にせず自分のネタを披露することを第一に考える。

そうやって皆が一体となってお笑いを楽しむステージ…それが理想である、と。

 

なので、自信がないなら出すのやめましょう。それでもコメントだけは欲しい、褒めて欲しいのなら審査員方のチャンネルでメンバーシップにでも加入して「褒めてください」とでも言えば良いと思います。

採点してるだろ比較してるだろ優劣付けてるだろと、そこしか見えてないあなた。あなたは目的を見失ってます。模コンもコンテストなので作品を通して何かアピールしたいものを探しましょう。そしてそれをより良く表現できるスキルは研鑽しましょう。その熱量を買っていただけるだけの審査員の方々が揃ってます。

 

 

 

干支ノ武者[辰]

新年最初の完成品は「アニュラス 干支ノ武者[辰]」です。

アニュラスというメーカーは2022年4月に設立されたばかり。所在地は岐阜県とありますが、自社工場なのかファブレスなのかは分かりません。SSSSのアカネや立花の可動プラモデルを作られており、今回の干支ノ武者が第三弾のようです。

キットの所感も含めあらためてまとめます。

 

まずパッケージが高級です。

タイトルが箔押しなのもそうですが、箱自体がミフタ(蓋となる箱とそれを被る身箱)式で化粧紙を巻いたタイプ。模型の箱って、いわゆるミフタ式の最も簡素な作りとなる訳ですが、干支ノ武者ではいわゆる化粧箱としての作りで頑丈。

そしてこのランナー構成。AランナーからDランナーまで4枚あるのですが、各ランナーの四隅に足が付いててピンダボで連結しています。ランナーでケージ化することで一枚ずつ袋詰めするよりもパーツの保護がある意味確実。

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組み立てです。

頭部から組み付け。いきなりコレ。1パーツでこの彫刻と抜きを実現する金型…スライド金型も使っていそうなのですが訳がわかりません(褒め言葉)。

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頭部。中の人登場(笑)。頭部のダボ穴へテックセッター(古)していきます。画像は面頬の下顎部分を装着したところ。ゲート処理をきちんとやればこの通りバチピタ。左右割ですがセンターの合わせ目がほぼ見えません。何コレ(褒め言葉2)。

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頭部への組み付け完了。よっく見ると中の人の目が見えますが…
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喉輪(顎下をガードする部分)の造型ですが、左手部分は端まで造型されてますが、右手側は欠けています。
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これはのちに陣羽織を被せた際、デザイン上左肩周りがやや浮いた造型になっており、襟元と喉輪が重なるようになっています。右手側は襟周りが浮いていないので、プラの厚み分削ることで襟のラインと一致します。これにより陣羽織の厚み=キットとしての厚みが露出しなくなり、プラモデルっぽさを払拭してくれます。

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組み上がりました。宣材CG通りの仕上がり。彫刻が緻密すぎて潰れてるとか肉厚のせいで歪んでたりとかそういうのも一切無し。こういうのって大体どこかしら干渉して浮いたり、嵌合がキツくて最後までハマらないとかあるんですが、新興メーカーさんとは思えないバチピタぶり。これは次回作が楽しみになりますね。
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さて、塗装です。珍しくキットには何も手を加えず、塗装へ入りました。何なら合わせ目消しもしてません。結果的に塗ったら分からなくなりました。

某記事を参考に、銅像風に塗装します。参考元を書かないのは、同じレシピでありながら再現性が想定外だったため。紹介されたものと違った風合いになってしまったためあえて書きません。誤解を招きますしね。

 

まず全身をシタデルカラー21-29BALTHASAR GOLD(バルタザール・ゴールド)で。今回これを下地とするので黒サフも買いましたが使用せず。

各部を塗って組んだところ。基本色までは筆が届かないところが出てくるのである程度バラして塗りました。
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これはこれで良いですよね。ほぼ瓶生で一度塗り。

ここから先は組んだまま塗ります。次に、輝きが少々強いのでウェザリングカラー「マルチブラック」で全体のトーンを暗くします。
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パーツの翳りになるところはマルチブラックを多めに塗って残します。
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事前のテストピース。こんな感じで緑青を纏うブロンズ像のつもりだったのですが…

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めっちゃブルー。下地のBALTHASAR GOLDさん…事前情報では結構シャビシャビとのことでしたが、しっかり撹拌(注:シタデルカラーは攪拌棒等で「かき混ぜる」のはNG。塗料の痛みが進みます。蓋閉めて手に持って50回くらい振る!ひたすら振る!)して使うとそうでもない…
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まあこういう銅像が無いわけではありませんが…

 

経年劣化はさせたかったので、マルチブラックでレタッチしました。で、こうなりました。
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レタッチのイメージは、「酸化で発生した緑青と風雨に晒されて緑青が剥げた箇所のバランス」です。基本的に肩や頭部・突端部にマルチブラックを乗せつつ、ストレーキングも意識して下半身はなるべく縦方向に筆を走らせました。

 

できれば休み中に屋外で撮影したいですねー。自然光撮影のネタとしては良いと思いますし。

反省点や改善策もありますので、次に活かしたいと思います。

本年もよろしくお願いします

昨年は年末より仕事と模活の折り合いがつかず、体を休めることに注力して乗り切る方針で生活してました。何とか無事に仕事納めできました。

とりあえず年越し模活として『アニュラス製干支ノ武者[辰]』を組み立てました。原型は高木アキノリさん。たぶんデジタル造型かな?

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Twitterにもアップしましたが、造型が緻密でかつ分割もなかなか面白かったです。

角から兜のひさしまでが1パーツ!スライド金型とかの手法は想像できますが、やはり一発で抜けるのは凄いですね。ちなみにインジェクションキットです。

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人間の頭部へ面頬や兜をジョイントしていきます。面頬下顎は左右割なのですが、ゲート処理をきちんとしてやるとバチピタです。センターの分割線がほぼ分からないほど。

このデザインですと、パーツでバチピタ狙いに行ってもヒケや反りなどが加わって浮いたり分割箇所が閉じないことも多いのですが、スナップフィットキットであることとダボの嵌合が良いため非常に綺麗に収まります。
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一応ひさしと面頬の隙間(=龍の眼部分)から中の人が見えるようになっています。
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喉輪(喉元を保護する輪状の部位)は右手側が欠けています。左手側は造型されているのですが…
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このように左手の形に合わせて陣羽織の左肩あたりが少しだけ浮いています。この襟からチラ見せするため重なりの分をカットせずに残した、というのが目的かと思われます。

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ちなみにこの腰回り、番号が示すように4パーツ装着するのですが、これが意外に難物でした。B⑨が腰紐パーツでB⑬が脇差。図だけ見ると1パーツに見えますが、二つでひとつにします。

そしてB⑩をはめ込んでしまうとB⑫が差し込めなくなります。B⑫を先に差し込むと今度はB⑨+B⑬(それぞれにダボへ嵌め込むための突き出しが付いている)が入りません。それぞれが少しずつ重なり合うようになっており、ややコツが要ります。

とはいえそこまで難しいものではありません。全パーツのダボへの差し込みを緩めにしておき、上下の重なりを確認してから全方位より一度に押し込んでやります。

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威風堂々、プラモデルに見えませんね。

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珍しく(笑)これ以上の工作はしません。組み立てる前に塗装プランを思い付き、下調べと裏付けを行い31日に塗料をポチっておきました。

わりと出オチな塗装になると思うので、彩色が完了したらTwitterはアップしようと思います。

何やるかは秘密です(笑)。

進捗をアップする意義とは

なんかご大層なタイトルですが。

 

そのまんまの意味で「なぜ進捗をアップするの?完成したらで良くない?承認欲求なの?」ということで。

逆に10月24日以降進捗アップが止まってますのでその辺も。

 

現在アップ中のHGズワァース、その前はクァドラン・ロー、二郎の鳥型飛行機(※)、スピットファイア(※)と、名前は聞くもののややメインストリームからは外れたところにあるキットを手掛けていました。

※やってたんですが既に破棄されており未完成

 

これらは自分的にこうするのになというのが思い浮かび、かつあまり他の人がやってなさそうなものがチョイスされがち。動機は様々ですが、クァドラン・ローなら設定画準拠のプロポーション・ディテール、二郎の飛行機も劇中とやや異なる印象に手を加えたり…と、主にプロポーション・シルエット関係が多いのですが、見たいものを作ってる人がいない…なら自分が!みたいなところに惹かれることが多いのかな、と。

 

以前書いたかどうか…ですが長年グラフィックデザイナーやってまして「名前を出さず、しかし企業の代弁をする責任感」はなかなかなもの(笑)、それでも創作活動という意味では充実した毎日を送ってました。

現在創作活動が趣味のみとなり、強制されることも〆切もないことがまあラクなこと(笑)。ただ何かしらテーマも設けた方が張り合いも出るし…ということで何となく人がやってなさそうなことにチャレンジしてみようというのが今の模型に対するメインモチベーションだったりします(全てではありませんが)。

 

そうと決まれば、とほぼ閲覧のみに使用していたTwitterアカウントへ進捗アップ始めたのが「EXシリーズ アルビオン」です。

画角の違いもありますが、ややずんぐりした印象なのを艦首側を延長して少しでも重心が後ろ寄りになるように。

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あれ?クァドラン・ローじゃないの?と思われた方がいらっしゃるかどうか分かりませんが(笑)、最初の工作記はコレでした。

ちなみにこちらも破棄されてしまい未完成に終わります。

 

何とか完成に持ち込めたのがクァドラン・ロー。左から右になるまで途中休みを挟んで約1年半経過。

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そんな感じでやってきたここ2年。同じキットにチャレンジされる方とSNSで繋がったり、同時期に同じキットを弄っていて楽しさとその方向性の違いも知れたりなど、基本作品を外へ持ち出すことのない自分としては様々な刺激をもらうことができ、より一層自分が思うベストに向かって完成させようという力となっています。

 

という訳で、タイトルに対する答えとしては「自分のやる気を表明するため」かもしれません。

 

さて、その上で現在HGズワァースの進捗がアップされてない理由は、単純に手が付けれていないからです。

特に11月から仕事が忙しくなりました。そして帰りの車の運転がキツい(笑)…帰宅ラッシュの渋滞で長時間乗っていることもあり眠気がヤバいのですよ。

平日がそんな調子でして、週末に溜まった用事を片付ける一週間。それ自体は前から同じですが、用事を片付ける移動中の車内で眠気に襲われる頻度が多いあたりに疲労の蓄積を感じており、

おそらくサイクルが体に馴染むまで時間がかかりそうなのと気疲れが多いのですが、時間と共に解消されることでしょう。と信じたい(笑)。

 

そんな感じで充電中心な生活です。

再開までもう少しお時間いただけたら。

 

 

 

HGズワァース、進捗2023.11.4

今回は、

・コンバータとそれに伴うアレコレ

です。

 

前回肩の爪の目処が立ったことにより、キットに施されていたアレンジの修正やクセのある骨格の調整を一通り終えたため、二周目へ突入となります。最初はコンバータの見直しに入りました。

現在コンバータの問題は、

・大雑把に形を変えただけ

・滑らかな面になっていない

・本体との固定方法が決まってない

・重い

です。

滑らかな面については、エポパテでの盛り付けに慣れておらず、細く依ったパテを押し付けていく感じでボリュームを出し、その後片方だけ集中的に整形したのちに型取りゲージを使って反対側のコンバータも整形する形で進めてきました。

ただし、パテとパテの間の細かな溝が消えておらず、これを埋めて行くことと面のうねりがあるためそこも埋めるか削るかして均す必要があります。

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ひたすらに盛って削っての繰り返しです。

当初3つに分割したコンバータを無理繰り繋ぎ直し、その補完としてパテ盛りしていました。しかし途中で延長も行い、その延長分に見合った厚みがやや足りない感じがしたため「左右幅もやや増す」ようにパテ盛りしてきました。

そのため整形するにあたりコンバータ側面のドーム型?が若干埋まりかけており、また磨くのにどうにも邪魔なため、ここにきて根本からカットすることに。

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カットした跡は当然穴が開くため、裏側からマスキングテープを貼って底を作った後に表から光硬化パテを盛って埋め、その後テープを剥がしました。余程強力な力を加えない限り穴埋めとしては十分。特に裏から補強もしてません。

ちなみにここまで面を均すのに使っていたのはリューターとペンサンダーでしたが、一度に広範囲へ作用しないことが災いしたのか面のうねりが出来てしまいました。なのでそれらは一旦使用を止め、単目の金ヤスリ「誉ヤスリ」にて面を整えていきます。誉ヤスリは幅が2cm程、長さは20cmちょっとの大きめな金ヤスリ。はじめは「単目の金ヤスリってどうなんだろう?」と思いましたが、調べると色々分かってきまして興味が湧き買ってみたものです。

軽い力でヤスる分には表面をツルツルと滑るだけ。しかし出っ張り部には作用するため、軽い力で全体を撫でるような感覚で削っていきます。面積も広く、特に前後長があるためコンバータ一層目の前後長全体に作用します。

ある程度全体の研磨が出来たら、キットの黒・エポパテのグレー・光硬化パテの黄白色と混在しており面が把握しにくいため、一旦サフを塗ります。クレオスの水性サーフェイサー1000番です。いわゆる「捨てサフ」ですね。エアブラシ塗装環境がありませんので筆塗りです。

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細かな凸凹が見えるようになりました。

特に光硬化パテは光を透過するため表面の細かなコンディションがやや把握しにくくなります。なのでこうして一旦不透明な状態にしてやると良いと考えてます。

 

磨いて二度目のサフ塗り。先程コンバータの峰にあった凸凹が大分消えてきました。ただ側面はまだかなりのうねりが。

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もう一つ、二つの段差がいい加減なのでこれも整形していきます。マステで形を決めたら1mmプラ板へ転写し、形起こしします。型板をガイドにして段差の形を整えていきます。

この頃、ある問題が分かってきました。それはコンバータ・ノズル側の開き角の問題です。

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のちにこの仕切り板を並べるにあたり、枚数とか取付角度とかを調べてました。

仕切りはノズルの切り返しに1枚、そこから広いほうに4枚、狭い方に2枚の計7枚。これを画像に当てはめると…

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あれ?仕切り板が平行に並べられない…

そうか…仕切り板に対して開口部が斜めにならないと並べられないんだ…

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と言うわけで、斜めにカットするため検討。

こうカットすることになると、全長が短くなってしまう。

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そこで、直線カットではなく緩いRをつけてカット量を誤魔化す作戦に。

だがやはり平行に並べるには足りないようである。開き角が甘いようである。

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ならばと思い切って三層目を作り変えることにした。現状やや小ぶりに見えてしまっているのでカットして再建する。

まずはプラペーパーを使って検証。現状(右)三層目と一層目開口部の開き角が直角なのを鈍角寄りに変更しつつサイズアップも行います。

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糊代を残して三層目をカット。プラペーパーへ置き換えることで多少なりとも軽量化に寄与するように。
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せっかくなのでコンバータ内側をなるべく肉抜き。

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サイズ・角度を最終調整。トータル3個目で良しとしました。
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このエントリーを書くにあたり仕切り板の間隔等を検証。

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設定画上の整合性に難がある場合、立体で再現するのが難しい。ある程度の妥協点が探れたので、一応良しとしました。

問題はここからどうやって建て込んでいくか?作業が頭の中で整理つくまで一旦止めておきます。

HGズワァース、進捗2023.10.1

皆様、お疲れ様です。

模活、捗ってますでしょうか。

私は日頃制作は週末と決めてまして、たまに突発で平日にやることはあっても稀でして。やはり仕事への影響もあるので平日は大人しく早寝するようにしています。

それでも「次はここを作業したい、今はこうだが次はこう変えたい」みたいなかんじで制作メモを作業後や思いついた時に書いてたりします。主に平日はそうしたビジョンをアウトプットして実作業時のモチベーションに変えてたりしてます。

 

さて、前回から少し早いですがHGズワァース制作記です。今回のお品書きは

・肩の爪について

です。そりゃ早いわ。

肩の爪装着前です。ここから肩にスリットを入れて爪を付けていきます。

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その前に。

ズワァースという機体は、大きなコンバータや膝当て、長い足の前爪など一見して特徴も多いのですが、キット改修にあたりこれらが無くともズワァースに見えるバランス…骨格、つまり基本プロポーションを整えることを優先する、という考えで作業してきました。膝下側の作業ならまず寸やふくらはぎの形や足首位置を整えたのちに足指を加工する、上半身の作業なら肩周りの面取りを行ってから肩の爪を装着する…などです。末端の要素を弄る前にベースとなる体型に問題ないか?を考える、というのは過去のエントリーでも書きましたが、今回も実践しております。

 

肩周りのフォルムはキットでは逆R面が多く、小ぶりな印象でした。他にも

・頭の角が大きい、頬が抉れている

・上半身はやや幅狭に感じるが、それ以上にウエストがありえない程に細い

・二の腕がモコモコしていて筋肉質すぎる

・前腕が波打ってる

・肩の爪が小さい

・ウエストの細さに釣られて股関節パーツも細く見える

・膝から下が太くデカい

・足指は設定画とは別物

…とHGズワァースは全体的に妙なアレンジを施されています。そんなに設定画通りに形にするのが嫌だったのでしょうか?

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肩の爪は設定画によると、肩アーマーの袖口まで抜けたスリットがありそこから生えているという表現になっています。キットでは肩アーマーへ埋め込むのですがスリットがありません。爪の形も随分違うため作り直そう…と考え、現在に至ります。

 

スリットを設ける過程は特に残してなかったので、爪から。

腕の爪同様2mmプラ板からの削り出しです。

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ひとつ削り出したところ。
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肩のスリットへ仮装着。
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ちょっと短く見えますね。
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短いのでは無く太いのかもしれないと思い、やや爪の幅を削ってみました。良さげなので残り3つの爪もとりあえず加工しました。

あとはスリットの底に光硬化パテを塗り、爪を差し込んだら肩口から光を当てて硬化。仮装着とします。
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ビフォーアフターです。爪が伸びたように見えますが、実際は細身にした効果です。

 

現時点で腰に上半身が乗ってるだけなので、左腕に盾を装着すると重みで体が傾きます(笑)。が、この角度から撮ってると意外と分かりません。クァドラン・ローの時それで体の傾きに長らく気付かなかったという経験から俯瞰と合わせて正面からも撮影するようにしています。
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これで一旦全身に施された「HGアレンジ」はほぼ無くなったかと思われます。次回からコンバータの作業へ戻ります。

コンバータもアウトラインをそれとなく変えたところで放置してたので、形の追い込みと接続方法をいい加減決めないとなあ…といった感じです。

 

制作途中から「膝曲がってないズワァース」を見たくなって現在に至ります。完成はまだまだ先になりそうですが、よろしくお願いします。

 

HGズワァース、進捗2023.9.17

月刊ペースになりつつありますが、本人にその意図はございません。なるべく間隔は空けずに行きたいと思ってます。思ってるんです。ホントだよ。

 

今回のメニュー。

・胸部装甲について

・肩周りについて

・腰パーツについて

・頭部角について

・腕の改修について

以上となります。

 

胸部装甲について

紋様の形に沿って穴開けします。穴開け後どうするかが決まってませんが…

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①元のモールドの内側にドリル刃&リューターで穴開け。自分は紋様の角へまず穴を開け、その穴同士を結ぶラインへなるべく詰めて穴開けしました。

②穴と穴を開通させていきます。これもそのままドリル刃で。

③とりあえず穴が開きました。あとは穴開け箇所の整面と、装甲自体の歪み(以前に4分割したため、貼り合わせ後に多少歪みが生じていた)を削って調整しました。

④とりあえず完了。裏打ちしたエポパテが見えているのでなんだか綺麗に見えませんが。

この後どうするかはまだ考えておりませんが、

・筋繊維風にはしない

・原典ではマーキング以外の意味づけが無い

・でも色の塗り分けだけじゃつまんないよね

何かします(笑)。

 

肩周りについて

正面図を見ていたら、肩のラインはほんのりと山なりにみえます。

現在襟元から肩口へ向かって「水平ライン〜カーブを描いて45度程下向きへ」といったニュアンスで来ましたが、どうしても撫で肩な印象になりがちでした。

そこで設定画のニュアンスを取り入れることにしました。

従来はこんな感じ。このままでも良いのですが…

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隠し味として。一旦あえて峰を作り、左右を見比べやすくします。
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ざっと研磨したところ。言われなければわからないくらいの「怒肩」にしました。
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腰パーツについて

オーラキャノンを設置しました。ここに来てようやくキャノンをランナーから切り出しました(笑)

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穴を開けつつ左右の高さを揃えて位置決め。キャノン同士は現在プラ棒を介して互いを接続。

キャノンの周りは緩やかに取付穴へ向かってRを描くようにしてます。

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エストのパーツも整形。ラインのつながりを整えていきます。

 

頭部角について

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ここにきて左右で角の高さが違うことに気付きました。右角を下げることにしました。今見えてる瞬着パテのグレー部分で、かつて角へカットラインを入れ、手曲げしつつ隙間へ瞬着パテを流し込んで固定しました。今回も同様に切り込みを入れ手曲げし、瞬着パテで固定…

そしたらまた角度がズレてました。

想像ですが、おそらく原因は瞬着パテ。硬化時の体積収縮により、曲げただけの角の角度が動いてしまったからではないか、と。

再度カットラインを入れ、今度は手で角度を維持したまま固定しました。

 

腕の改修について

腕(前腕)は、かなり初期の頃に肘の突起を削って以来無調整でしたので、ようやくといったところ。

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改修初期に、とりあえず肘の突起を削除して一旦逆Rにくり抜いておきました。

 

手首に装着する爪のサイズを決めたら、2mmプラ板へそのサイズで穴開け。ここへエポパテを詰め、2mm厚のパーツを量産します。

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4つ型取りしようとエポパテの団子へプラ板を押し付けてからプラ板を剥がすのですが、メンタム塗っていてもくっつき、剥がすため歪み、硬化後爪だけを切り出し…と長い準備のわりに出来は良く無い。やり直しです。

2mmプラ板を細切りして…

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型板は再利用。ガンマカでアタリ線を引きます。
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輪郭に沿って削ります。
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まずは必要数の基本形が揃いました。
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爪の峰側を削り、一旦手首へ。

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雰囲気・バランスは悪く無い。が、そもそもの前腕部全体のシルエットが色気なさ過ぎ。

ちなみに盾がすっぽりと収まる。キット本来は盾側にダボがあり、位置決めは腕に開いた穴へ差し込む。もうダボは切り飛ばしてあり、腕を挟み込むようなパーツが逆テーパーなため肘側から差し込んでやると取れなくなり、たまたまフィット。

これはこれで良いかもしれない。

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ダンバインの腕を参考に加工。構成とかシルエットがわりと似てるんですよね、ズワァース。

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爪と拳を装着したところ。とりあえず悪く無さそう。
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そんな確認ができたところで、一旦開口部を全て塞ぎ、手首側を整面します。もう反対側を加工する際は初めからこのボリューム感を参考に手首側にパテを詰め、のちに開口していきます。

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右手側も同様に。鏡像反転してますが、キットとの比較。

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参考としたダンバインの腕周り。

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最後に一通り組み付けて様子見。

TV設定画に無いディテールがほぼ無くなったと思います。

爪はシャッター切る直前にひとつポロリしました(笑)。

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とりあえずここまで。

膝曲がってないズワァース見たさにここまで来ました。そろそろ1年経過。クァドラン・ローを超えましたね(笑:クァドラン・ローは工作が10ヶ月、塗装プラン準備から磨きまでが4ヶ月程、撮影準備に1ヶ月)。

仕方のないことなんですけどね。クァドラン・ローと違ってズワァースはほぼ週末か大型連休中にしか触れなくて、実稼働日数自体が相当違いますからね…。

がんばるます。